テキストサイズ

+* ゚ ゜゚ *Classmates* ゚ ゜゚ *+

第35章 卒業

「おいおい。こんなんでドキドキしちゃったの?華ちゃんってかぁ~わいい♪」

きっと空は、自分の微笑みの殺傷能力を知らないんだと思う。

…またあたしを馬鹿にして。

「あ…あの…ねっ…。」

何か一言言い返してやりたかった。

「なぁ~に?」

端正な顔が、あたしの眼の前までやってきた。

…わわわっ。

久しぶりだからか、やたらと煩い音を立ててるあたしの心臓。

…落ち着けあたしの心臓。

「何でも無いっ!!」

あたしはぷいっと顔を横に向けた…でないと、溶けてしまいそうだった。

「あ~っ。でもやっぱり、俺待てないかも…。華の色んな“初めて”は、ぜ~んぶ俺が貰うから♪」

―――ドキ――ンッ!! 

…空のときのコイツは、厄介だ。

こうやってあたしを虐めて楽しんでる。

「8月過ぎたら、会えなくなっちゃうけど…それでも俺は絶対にお前に会いに来る。」

「うん…。」

…そうだ。9月にはイギリスの大学に留学してしまうんだ。

「ちょっ…と寂しい。」

あたしがボソッと言うと、空はあたしをギュッと抱きしめてから、背中をぽんぽんと優しく叩いた。

「浮気…するな。」

…えっ?

あたしは思わず空の顔を見上げた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ