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第5章 涙雨

2位 今泉 華
1位 古水流 空

…えっ。

それも、たった3点違い。あたしは落ち込んだ。トボトボとクラスに戻った。

「俺の方がちょっと賢かったらしい…ざんねーん。」

空がニヤニヤした。

…あんなに頑張ったのに。

あたしは悔しくて、返す言葉も無かった。

「華…凄いよ?あたしびっくりしちゃったもん。3点差なんてほぼ同じじゃない!」

…負けちゃったんじゃ、意味が無い。

クラスメートがあたしを呼んだ。見ると、真啓がにこにこ笑って立っていた。

「あ…伏見君だ。ちょっと行ってくるね。」

ふたりとも付き合っちゃえば良いのに…リツが机に肘をつきながら、廊下にいるあたし達を眺めた。

「華ちゃんもう具合は大丈夫なの?」

真啓は何時も辛い時にふっとやってくる。

「うん。そう言えばあの日、家に来てたんでしょう?」
「ご飯までご馳走になっちゃった。」

まだチャイムが鳴るまで暫く時間があった。

「それより学年2位だって凄いね。」

あたしは目を伏せた。

「空を家に呼ぶ約束しちゃったの…絶対勝てると思ってたのに。」

真啓はあたしをにこにこしながら見ていた。

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