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第6章 仲良し3人組?

「あら。クラシックじゃないのねぇ。珍しい。相変わらず真啓さんは上手だわ。初見で弾けちゃうんだから凄いわよね~♪男の子もピアノ弾けたら素敵よね。」

ママは、キッチンで皆の分の紅茶を煎れていた。その曲は少し寂し気で切なく甘いメロディだった。

「なんて曲かしらねえ。」

あたしはママの独り言に付き合いながら空が持ってきたケーキを切ったりお手伝い。真啓がクラッシックを弾いているのを聞いたことが無いあたしは、紅茶とザッハトルテを運びながら部屋を覗きに行った。

「ふたりの御持たせで悪いけど♪はいこれ。」

あたしは小さなテーブルの上にケーキをそっと置いた。

「誰の曲?聞いたこと無いけど、寂しそうで心に残る素敵な曲ね。」

今まで聞いたことの無いメロディ。

「空が作ったんだって。」

夏がふたりの会話を聞きながら、あたしに教えてくれた。

「えっ…空が作ったの?ひねくれ者が、こんな素敵な曲を書くなんて信じられない。」

「煩い。こっちは忙しいんだ!鼻たれ。」

…また憎まれ口を言った。

「何よ偉そうに。」

真啓がまあまあとあたしたちを止めた。夏は床に座りながら紅茶を飲み、ケーキを食べ始めた。

「おっ…アプリコットジャムが入ってる。これめっちゃ美味いなぁ。」

あっという間に一切れ食べてしまい、俺のも食って良いよと空が笑った。真啓がピアノを弾いて、大きな空がピアノの傍に立って楽しそうに話をしている。空もあんな風に笑うんだ。あたしは気が付くと空の顔を眺めていた。

「ここは、転調しないで、このまま弾いた方が自然じゃない?こんな感じで…。あとここのリズムなんだけど、こう?それともこっち?」

真啓が即興で弾くと、空が楽譜をすぐに直した。

「あぁ。そうだなそのまんまの方が良いな。もう一回弾いてくれ。覚えるから。」

空が真剣な顔をしながら譜面を見てサラサラと書き足していった。

「空くん凄いね。譜面をそんな早く書けるなんて。僕は弾くだけだから驚いたよ。」

真啓が空が書き起こした譜面を見て、もう一度弾いた。

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