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第7章 空の秘密

奇しくも偶然にその日はやってきた。

「ダディ~。ちょっとトーフのこと抱っこしててくれない?爪が伸びちゃったの。」

アイツは俺を“ダディ”に抱かせた。

…何だよダディって…ガキかよ?

言われるがままに俺は抱かれた。

「華ちゃん。血管が赤く透けて見えるから、そこは切らないようにね。」

…マジか。お前が切るの?馬鹿と何とかは、使いようっていうけ…。

―――フギャァッ!!

「あ…トーフ!!ゴメン。痛っ!」

予想通りの展開だった。俺は思わずアイツの手をひっかいてダディの腕から飛び出した。

「華ちゃん…僕がかわりに切るよ。」

血がポタポタと垂れ、俺は慌てて舐めた。

…痛ぇよ馬鹿。

「どうしよう…トーフごめんね。ごめんね。」

アイツは半べそをかきながら心配そうに俺を見つめた。

「よしよし僕に見せてごらん。」

ダディは俺を抱き上げて、指先をティッシュでしっかり押さえた。

「慣れるまで僕が切ろうね。」

…はい…お願いします。そうして下さい。

「華ちゃん心配しなくても大丈夫。すぐに血は止まるから。」

アイツは俺が寝るまで、傍についてゴメンねゴメンねと謝り続けて居た。

――― 翌朝。

学校に来たアイツの手には、俺が引っ掻いた傷が出来ていた。やっぱり夢じゃ無いのか?ふーむ。俺が寝ている時は、トーフはどうしているんだ?謎は深まるばかりだ。

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