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第7章 空の秘密

「でも…ありがと。」

小さな声で空に言った。

「あーっ。華さん聞こえませんけど?もう一度言ってくれる?」

…ムカつく。聞こえてたくせに。

「どーも有難うございましたっ!」

結局、空は保健室までのろのろと歩くあたしの後ろをついてきた。

「あら?どうしたの…。」

保健室の先生が心配そうにあたしたちを見た。

「こいつ…体育中に倒れました。」

空は保健室の入り口をくぐるように入った。

「あなた顔色悪いわね。」

あたしの腕を支えながら先生はベッドへと案内した。

「あの…痛み止め頂ければ…大丈夫ですから…。」

あたしは、じっと先生の眼を見た。

「…判ったわ。ちょっと待っててね。」

先生は薬棚へと向かう途中、空に連れて来てくれて、どうもありがとうねと微笑んだ。

「じゃぁな…鼻たれ。」

空が歩きだした時だった。

「ちょっと…あなた手が腫れてるわよ。」

先生が空の腕を掴んだ。

「いっ…。」

空は慌ててポケットに手を入れた。

…そうだ。さっきだ。

「さっき、階段から一緒に落ちた時かも。」

まぁと先生は驚いた。

「大丈夫ですから。」

空は保健室を出ようとした。

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