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第8章 コンサート・デート

「とっても可愛いガールフレンドね。お父様にも写真を撮って見せてあげましょ♪」

ゴソゴソとバッグから携帯を取り出した。

「あ…お母様。違います…華ちゃんはお友達で、ガールフレンドではありません。華ちゃんに失礼だよ。」

真啓が真っ赤な顔をして慌てた。

…あたしの方こそ、真啓の彼女だなんておこがましい。

はい♪ふたりくっついてねと真啓のママはあっという間に写真を撮ってしまった。

「お父様も喜ぶと思うわよ~♪」

笑った顔はますます華やかで、あたしは見惚れてしまうぐらいだった。

「あ…私も真啓くんのママと、真啓君の写真を撮らせて下さい。」

真啓のママが椅子から立ち上がると、真啓よりも身長が高くて驚いた。

「わたし…小さい頃から身長が大きくてね、変なあだ名を付けられていたの。」

真啓ママは優しい笑顔を浮かべた。あたしは、ふとテーブルの上の写真に眼がいった。

「あ…この写真?真啓のもうひとりのお父様なの。」

真啓のママが小さく見えるぐらい背が高く優しそうな人だ。

…美男美女カップルだ。

「僕が生まれた翌日に死んでしまったから、僕は顔も覚えていないんだけどね。」

真啓はじっとその写真を見ていた。

「そうなんだ…。」

そろそろ私も忙しくなるから、また終わってからねと真啓のママは笑った。あたしと真啓は控室を出てホールへと向かった。

「今の父は、僕の本当の父じゃないんだ。だけど、僕たち兄弟を本当に愛してくれてるんだ。」

考えて見れば、真啓のことを余りあたしは知らない。これが、もうひとりのお父さんと携帯の写真を見せてもらった。

「わ~♪どちらのパパも、とってもカッコいいね。」

そうでも無いよと言いながら真啓は嬉しそうな顔をしていた。

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