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第8章 コンサート・デート

ふたりでファミレスに入った。あたしがママに今終わったとメールをすると、もう真啓さんからメール貰ったわよと返事が来た。

「真啓くんは、よくコンサートへ行くの?」

あたしは、紅茶を飲みながら聞いた。

「うーん。最近は無いかなぁ。今日は久しぶりだったよ。」

「わざわざ誘ってくれたのに寝ちゃって、ごめんね。」

家に帰って、コンサートどうだったって聞かれても、後半は寝ちゃってたなんて言えない。また夏に笑われる。

「ううん。僕は華ちゃんと過ごせて楽しかったよ。」

…真啓に気を使わせてるのかも。

「あたしね、パパにクラッシックのコンサートに連れて行って貰うんだけど、その時も途中で寝ちゃうの。つまらない訳じゃ無いんだけど、聴いてると安心しちゃうの。」

あたしはチキンドリア、真啓は鮭のムニエルを頼んだ。

「そうなんだね…僕のピアノだけじゃないなんてちょっと残念な気もするけど。」

真啓はいつも優しい目であたしをみる。

「でも、やっぱり真啓くんのピアノが一番好き。ねぇちょっと手を見せて。」

…大きくて長くてしなやかで、きれいな指。

あたしは大きく開いた真啓の手を自分の顔の前に近づけた。

「あたしの顔がすっぽり入っちゃうね。」

手を重ねてみると、関節2つ分ほども違う。

「きっと華ちゃんの手が、もともと小さいんだよ。」

真啓は笑った。

「違うわよ…真啓くんの手が大きいんだよ。パパより手が大きな気がするもん。」

じゃあ今度比べて見ようと真啓が笑った。頼んでいた料理が来てふたりでゆっくりと食べ始める。

「真啓くんの写真の中のお父さん…背がとっても高かったものね。」

背の順だと、空、夏、真啓で、今のところ真啓が一番小さい…と言っても170センチはある。

「僕の父は身長が190センチぐらいあったそうなんだ
けど、そこまでは欲しくないけど、あと5-10センチぐらい伸びるといいなぁ。」

「周りに背が高い人ばかりになったら、あたし毎回上を向いて話さなくっちゃいけないし、疲れちゃいそう。真啓は手が大きいからきっともっと背が伸びるんじゃない?」

作りたてのチキンドリアは熱々過ぎて、暫く食べられそうになかった。

「手が大きいから?」

当たり前だけど、真啓は大きな手で器用にナイフもフォークも使って食べる。何だか小さく見えて、おままごと用みたい。

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