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第8章 コンサート・デート

楽しい時間はあっという間に終わってしまった。あたしは割り勘のつもりでお金を出したけど、真啓は受け取らなかった。

「でも…悪いよ。コンサートのチケット代だって払って無いのに。」

あたしは食い下がった。

「今度また一緒に出掛けてくれる?その時は、華ちゃんが出してよ。」

「また一緒に出掛けてくれるの?」

あたしは素直に喜んだ。

「うん。華ちゃんが嫌じゃ無かったら。」

「うん♪勿論良いよ。映画とか遊園地とか、一緒に図書館へ行った帰りに普通にご飯とか。」

真啓はお財布を出し、あたしの分まで支払ってくれた。
…それなら良いかも♪

「今度は、夏も連れてうちに遊びに来てよ。」

レストランを出ると、あたしはぶるっと身震いをした。

「夜はやっぱり寒いね。」

真啓が星がところどころに光る空を見上げて言った。雨が降ったらしく、地面が濡れていた。

「ほんとだね。早く春が来ないかなぁ。」

駅までまたゆっくりとふたりで歩く。そしてあたしはまたしても、真啓と腕を組んでしまって、慌てて離れた。

「僕は華ちゃんと腕を組めて嬉しいよ。華ちゃんさえ良ければ…。」

冷たいビル風が吹く沿道をふたりで歩いた。

「華ちゃんさえよければ…って、それ真啓くんの口癖だね。」

「そう?言われるまで気が付かなかった。」

真啓は強い風が吹くたびにあたしを庇った。

「なんかさ…真啓くんは、いっつもあたしに合わせてくれて悪い気がするの。」

歩道のところどころ、降った雨が冷えて氷になっていた。何度か滑って転びそうになった結果…結局あたしは真啓の腕に捕まった歩いた。

「そんなことは無いよ。僕も華ちゃんといると楽しいから。」

まだもう少しおしゃべりをしたいから、電車で帰ろうとあたしは真啓と一緒に電車に乗った。

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