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第8章 コンサート・デート

――― 翌朝。

「真啓さんとのデートはどうだった?」

ママが、お味噌汁を皆に配り終えて席につき、パパとダディが見合わせた。

「デートじゃないよ。コンサートに一緒に行っただけ。」

あら…そうなの?とママが言うと、ダディは笑ったけれど、パパは新聞を読んでいた。

「そうだ♪真啓のママと写真撮って来たの。」

あたしは携帯をゴソゴソ取り出して、真啓のママの写真をママに見せた。

「あら~っ♪本当に!目の覚める様な美人ってこんな人の事を言うのかしらねぇ。」

僕にも見せてとダディが覗き込んだ。

「うわっ♪本当だ。そこらにいる女優さんより美人だ。」

パパもチラリとその写真を見た。

「やっぱりねぇ。ガクさんが秘密にしておきたいわけよねぇ。こんなきれいな人なんだもの。」

「そんなことはありませんよ。僕はただトーコさんに要らぬ心配を掛けたく無かっただけです。」

パパは涼しい顔をしていた。

「真啓くんの本当のパパも、もうひとりのパパもどちらも凄くカッコいいんだよ!写真見せて貰ってびっくりしちゃった。」

「あら…そうだったの。」

休日皆で食事をゆっくり食べるのは久しぶりかも知れない。

「旦那さんは結婚して数年後に胃がんで亡くなったそうですよ。その後、今の外科医の旦那さんとご結婚されたそうです。真啓さんと双子の妹さんは、亡くなった旦那さんのお子さんで、一番下の息子さんは外科医の旦那さんのお子さんだそうです。」

パパが静かに言った。

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