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一途とは

第4章 ごめん。





山口tはたんたんと、話した


そのペースと同時にぐっしゃりと水分を含んだ黒いシャツも乾いていた



「あの人、人にはすごい笑顔で愛想よくて
腹の内で何考えてるのかぜんぜん分かんない
ああいうの分かんない」


首をちょっとかしげて言った



「へー…」



ある意味、正反対の兄弟なのかもしれない


山口tはとっても分かりやすい


口で率直に何でも言ってくれる



「そんな人、どんな顔してんだろう…
会ってみたい…」


興味本位で言ってみると


「だめだめ」


すぐさま拒否された


危ないってこと?



何でかは、なんとなく聞かなかった





「……どんな顔なの?」


「うーん」


顔をしかめて考えてる



「なんか、爽やかなカッコいい感じの顔?
俳優に似てる…
…誰だっけなぁ」



「ふーん…
どの俳優に似てるか分かんないよ」


笑いながら言うと



「誰だっけ……」


おでこを押さえながら顔をさっきよりもしかめている



そんなに考えることなの笑



これ以上話題も出てきそうにない…



…授業した方がいいかもしんない


「ここは何でこうなの?」


今やっている三角関数の質問をした





あれは、計算は楽しかったなぁ…



点数は良くなかったけど………



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