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sugar-holic2

第10章 忘れていた『約束』《倉田side》

チェックインしたら、荷物を置いて出掛けるのかと思っていたのに。

案内されるまま部屋に入り、寛ぎ始めたのを見て、気が抜けてしまう。

何なんだよ。

「無事旅館に着いて、これからどうすんの?」

話を振ってみてもかわされて、終いには疲れたから寝る、って…

『一緒に行きたい場所』に行くんじゃないのかよ!?

「倉田くんも寝る?」

自分だけ寝るのが申し訳ないのか?

…けど…

「俺はそんなに疲れてないし」

今寝たら、確実に落ちる。

座椅子に腰かけて、背凭れを使わずに姿勢を正す。

もう少し我慢出来れば、眠気の波が引くから。

それまで耐えろ。

瞬きを繰り返し、眠気を追いやる努力を続けていると、こっちに来いと呼ばれ…

ため息をついて立ち上がった。

「ここに来て、寝て」

そう言って自分の寝てる横のスペースをポンと叩いて示す。

…あのな。

天然もいい加減にしろよ?

「何?誘ってんの?」

そう思われても仕方ない状況だぞ!?

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