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sugar-holic2

第10章 忘れていた『約束』《倉田side》

ふと気付いたら、部屋の中が薄暗くなっていた。

やべ。寝てた!!

隣を見れば…あれ?いない!?

「ようやく起きた?」

呆れたような冷たい声音に、急いでその方向を向く。

すると、部屋の中の一人掛けのスツールに腰掛けて、足を組んで俺を見ていた。

「悪い、寝てた」

一体何時間寝てたんだ?

無意識に時間を確認しようと、部屋の中の時計を探した。

だけど、旅館だからか、視界に時計が1つも入ってこなくて…

その事も余計に焦りの原因になっていく。

「すぐ寝ちゃうなんて。よっぽど疲れてるのね」

くっ…と笑われる。

その笑い方も…冷笑って、こういうのか?

面白がっている笑いかたではなくて…むしろ…。

「悪かった」

機嫌を損ねたのは明らかで。

とにかく謝ろうと近付くと、サッと立ち上がり、窓辺に向かって行ってしまった。

無視かよ。

ヤバい、本気で怒ってるみたいだな。

どう対応したものか、様子を窺っていると

「ずっと考えてたの」

窓の外の景色を見ながら話し始めた。

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