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sugar-holic2

第15章 聞き酒

「外す方が難しいんでしょ?」

「多分。変な引っかけがなければ」

多分って。

自信があるんだか無いんだか分からない態度の倉田くんを見て思う。

もし外したら、これからもずっと『アンタ』って呼ばれて…

一生涯名前で呼ばれないで終わる…なんて事じゃないよね!?

「じゃあ、私が当たったら?」

「何がいいですか?」

何が、って。

「何でも聞きますよ?」

何か、すっごく余裕じゃない?

「当たらないって思ってるからでしょ!?」

「そんな事。普通に答えれば当たりますよ」

普通に…ね。

そんな事言うんだったら、絶対当ててやろう!!

意気込んだ私に、倉田くんが苦笑しながら訊く。

「で?ご褒美は何がいい?」

少し考えて…やっぱり、私が欲しいものは…

「当たったら…私の話を聞いて」

「…は?」

「そして、答えを聞かせて」

「…何だよ、それ…」

眉を潜めて、何かを警戒するような表情を浮かべた倉田くんに

「ま、当たったらだけどね」

わざとらしく明るくおどけて見せた。

「さ、頑張ろうっと」

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