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sugar-holic2

第15章 聞き酒

あのあと、二人とも自分の思う答えを書き込んでから。

せっかくだから、大浴場へお風呂入りに行きがてら、フロントに用紙を渡しに行った。

(部屋のお風呂は…まぁ、夜で景色を楽しむのが出来ないし…
それに、さっきの出来事を思い出すと、あんまり落ち着かなくて)

そして…



「結構簡単だったね」

「普通に答えれば当たるって言ったでしょう?」

倉田くんの高慢な態度も、今日ばかりは許してあげよう。

景品のお猪口とお銚子を眺めながら、思わず笑みを浮かべていた。

お猪口の底には、普通なら青色の二重丸が描かれてるところだろうけど、もらったこれには青色の…

「絵文字の顔?」

「え?にこちゃんマークって言わない?」

「何か、その言い方…昭和くさい」

悪かったわね!!

「ごめんね、昭和生まれですから」

どうせおばちゃんですから!!

唇を尖らせると、さっきの聞き酒で残った日本酒をもらったお猪口に注いだ。

「え?早速使うんですか?」

「せっかくだから。洗って持って帰ればいいでしょ?」

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