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sugar-holic2

第17章 借りは返す主義だから

「心配?」

席に座りながら、友紀は私を覗き込んで

「俺に言えない心配?」

そう言って小さく笑った。

その余裕ぶった笑いは何なのよ!?

「え?大したことじゃないから」

私も余裕ぶってにっこり微笑むと、亮くんが私たちを見比べて聞いた。

「そう言えば、旅行はいつ行くの?」

「あ、行ってきたの。これ、お土産」

話題が変わったことにホッとして、亮くんに持っていた紙袋を手渡した。

今日、この店に来た理由はこの為だもん。

紙袋を受け取りながら

「そんな気を使わなくても」

亮くんがクスッと笑うと、すかさず友紀がニヤリと笑った。

「いや、借りは返す主義なんだ」

頬杖を付いて見上げる友紀に、亮くんは毒気を抜かれたようで

「あ、そゆこと。じゃ遠慮なく」

あっさりと引き下がった。

「えーと、何になさいます?」

「じゃあ、スクリュードライバー」

友紀を見れば、棚の瓶を物色してるみたいで…

「富士山麓、ストレートで」

「かしこまりました」

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