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sugar-holic2

第4章 責任の行方

「まぁ…私も人の事は言えない立場だけどさ」

比呂子さんはお弁当箱を片付けながら、ニヤリと片頬を上げた。

「あ…宇佐見さん、元気ですか?」

「うん、多分ね」

え?一緒に暮らしてるのに?

キョトンと見返すと、ニッと笑われて

「只今フィールドワーク中で。ゼミやら他の研究員と一緒に、山に行ってる」

「山?」

宇佐見さんの風貌からすると、登山とかのイメージは全然沸かないんだけど。

「うん。今、天空のなんとかって各地で流行ってるじゃない?」

あぁ。色んな条件が重なると浮き上がったり、雲海に囲まれたりするヤツね。

「岐阜でもさ、いくつかそれっぽいものがあって。んで、観光課の方から発生条件の調査依頼が来たらしくて」

へぇ…。大学って、そういう調査も仕事のうちなんだ。

「それ、どれくらいかかるんですか?」

「う~ん…。天気次第だけど、とりあえず1週間?」

え?そんなに!?

「女の子も一緒みたいだし?食べるものには困ってないんじゃない?」

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