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sugar-holic2

第9章 時間を忘れて…

「…はぁ。はいはい」

ため息と共に、腕をするっと回されて、腕枕をしてくれて…

「ありがと」

そう応えたものの…

さっきの荷物持ってくれたのもそうなんだけど、どうしてこんなに自然にこういう事が出来るんだろう?

やっぱり、それだけ…手慣れてる、って事だよね。

私なんかでは手に負えないくらい、いろんな恋愛をしてきたんだろうな。

だから…いつか私に飽きて、別れることになるかもしれない。

その時に、本気でこの人を好きになってたら…。

強司の時でも結構引きずったのに。

今度は…立ち直れなくなるかも。

そう思ったから、本気で好きにならないようにしてたのにな。

なのに…

倉田くんの呼吸が浅くなって、リズムが一定になってきた。

顔を上げて様子を窺うと…

あ。寝てる。

倉田くんの寝顔を見て、頬が緩んだ。

良かった。ちょっと強引だったけど、とりあえず成功だ。

とりあえず5分はこのままでいないとね。

このまま寝入ってくれるといいんだけど…。

そのまま至近距離で倉田くんを眺めた。

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