
言いなりなんてっ
第3章 サークル
「あ、顔赤いね。酔っぱらっちゃった?」
わたしの顔をのぞき込む浩介先輩。
先輩のせいですよっ!
……とは言えず、
「あー、はい、ちょっとだけ」
曖昧に笑って誤魔化した。
明日も普通に大学のため、23時くらいに解散となった。
詩依奈は、電車の時間があるから!と言ってみんなより先に帰っていた。
1時間に2本くらいしか電車が来ないという田舎だから、1本逃したら待ち時間が長いんだ。
わたしはというと、ここの居酒屋からは徒歩で15分くらいで家に着くから余裕。
「莉子ちゃん、家どこ?送るよ」
優しい浩介先輩は、わたしにそう声をかけてくれた。
