
言いなりなんてっ
第3章 サークル
海は黙ったままわたしの手首を掴んで、1歩先を歩いている。
……なんか、さ。
わたしのことあんな華麗にスルーしておいて、いきなり送る…とか、何がしたいんだろう。
しかも何も話さないし!
意味わかんない……
再びモヤモヤしてきた。
でも、海には弱みを握られてるから下手なことは出来ないし……
悶々としていると、いつの間にかアパートのわたしの部屋の前に着いていた。
「ありがとう、海」
一応送ってもらった立場だから、お礼を言った。
それに対して返事はなくて……
まぁ、いいか。
考えることを放棄して、部屋に入ろうとすると
「何してるんですか。
……こっち。」
