
言いなりなんてっ
第3章 サークル
「えっ?」
と、思った瞬間……
ーバタンッ!
見事な早業で、わたしは海の部屋に連れ込まれていた。
「へっ!?ちょ、なんで!?」
一気に頭の中がパニックになる。
「先輩、今日は泊まっていってください」
ニコッと笑う海。
いやいやいや、意味がわからない。
「やだよ、帰る!」
クルッとUターンして、ドアノブに手をかけた。
「ーーーダメ。」
……っ!
思わず息を飲んだ。
海の吐息がわたしの耳を掠める。
いつのまに距離を詰められたのか分からないけど
背中のすぐ近くに、海の温もりを感じた。
