
言いなりなんてっ
第3章 サークル
「帰さない。」
扉と海の体に挟まれて身動きが取れない。
ドアノブを握った手に、海の手が重ねられる。
男の人の免疫が少ないわたしは、それだけで心臓が破裂しそうになる。
「……先輩、」
耳に息を吹き込まれ、ピクンッと体が反応してしまう。
なっなんで急にこんな展開になってるの!!
「海どいて…?」
頭の中はパニックだけど、とりあえず平然を装って会話する。
「嫌です。
それに、先輩に拒否権はないんじゃないですか?」
海の言葉に、疑問が浮かぶ。
それって、どういう……
って、まさか!!!
「俺との約束、忘れちゃったんですか?」
