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相葉さんの恋人になる方法

第7章 臆病。

相葉さんの家。
俺は部屋の隅で拗ねていた。


想いを伝え合い、晴れて両想い、恋人となったわけだけど・・・
俺は今ものすごく後悔している。


お互い抱きしめ合って、俺なんかちょっと(?)泣いちゃったりしてさ、スゲー甘い空気だった。


けど・・・
いつになく男前な雰囲気の相葉さんに、ドキドキしてしまって顔を上げられなくなっちゃったんだ。


A「にの・・・」


甘い声で呼ばれて、鼓動は早くなるばかり。
相葉さんのこんな声・・・聞いた事ないよ。


A「にの、コッチ向いて・・・?」

キスとか・・・するのかな?
どうしよう。ガキじゃないんだ、キスくらいで動揺するな。
相手はあいばか。
あいばかあいばかあいばか・・・


なんとか緊張を解こうとしていると、相葉さんが震えている。


N「・・・??」


A「っぶ!!あははははははっ!!」

なに?どうしたの相葉さん。

A「ご・・・ごめん、怒んないでね?にのちゃん、緊張しすぎ!もう・・・可愛すぎるよ〜!」


N「・・・はぁっ?!」

A「怒んないでって!からかってるんじゃないよ?
俺もにのとチューすると思ったらちょっと緊張しちゃうよ。」

気持ちがバレてる・・・!!

N「あ・・・相葉さんの・・・」


A「ん?」

N「ばかぁーーーーーーー!!」

A「ええーーーーーーーー!!」


恥ずかしさに耐え切れなくなった俺は、盛大に怒鳴って部屋の隅へ逃げたのだった。

クソぉ・・・
何でこうなっちゃったんだ。
ばかは俺だよ。
相葉さん相手だと、全然キマらない。

せっかく両想いになったのに・・・
せっかく甘い雰囲気でキスできると思ったのに・・・

今さら甘えられない。

そうだよ、デレにのちゃん作戦とか言ってたけど、本来素直な性格じゃないんだ。


十数年、親友をやってきた相葉さん相手じゃ余計に・・・


キスひとつまともに出来ないなんて、呆れられてないかな。


N「はぁ・・・・・」

さっきまでの幸せな気分はどこへやら・・・
チラリと相葉さんを盗み見る。
当然、俺の好きな優しい笑顔なんかじゃない。
・・・怒ってるのかな?

A「ふぅ・・・」

小さくため息を着くと、リビングのドアへ向かう相葉さん。


え、出てっちゃう?!


N「・・・待って!!」

A「わっ!!」


相葉さんにタックルする勢いで飛びついた。

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