テキストサイズ

スイッチ

第16章 不安たくさん。


N「何言ってんの。俺、潤くんがいて心強かったのに!」


M「こうやって終わったこと引きずってんのもカッコ悪ぃ。
ゴメンな、カズにも思い出させて・・・」


ますます落ち込む潤くん。
なんかメッチャ暗いんだけど!


M「アイツを黙らせたとき、かっこ良かったんだ。」


ん?翔さんの事??


M「何かさ、いつもふざけてんのに、あん時は大人の顔で。
すげースマートなんだよ。」


N「・・・・・・・。」


M「今までもああやって俺たち守られてきたのかなぁとか思ってさ。
だいたい、仕草とかカッコ良いじゃん?」


え、そうかな。
そんなん思った事ないけど。



M「壁にもたれて腕組んで笑った時なんか、メッチャかっこ良いんだぞ。」


・・・へぇ。
超具体的だな。


ていうか・・・



N「ねぇ、潤くん・・・大丈夫?」


M「なにが?」


N「いや・・・翔さんの事・・・」


M「ああ、だから揉めたとかじゃねーよ?
俺が勝手に・・・嫉妬してるだけ。」


N「嫉妬・・・」


M「ああいうかっこ良い大人の男になりたいのに、昔から全然追い付けない。
いつまでもガキのまんまだよ・・・」



潤くんは昔から翔さんを慕っていたから、そう思う気持ちも分からなくはない。
時が経って同じように肩を並べているように見えるけど、やっぱり潤くんにとって翔さんはずっと憧れの存在なんだろう。




・・・でも、何でかな。


潤くんが恋してるような顔をしているのは。


まさかだよね。
違うよね。



N「俺、潤くんに憧れてるよ?
スマートさも、かっこ良さも、俺からしたら翔さんと変わんない。
2人とも、大好きだよ。」



落ち込む必要も悩む必要もない。
しっかりして潤くん。


M「・・・ありがと。素直に嬉しいわ。」


微笑んでくれた潤くんに少しホッとしたけど。
じゃあまた、と俺の頭をポンとして楽屋を出て行く潤くんの後ろ姿は、やっぱり元気が無かった。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ