スイッチ
第16章 不安たくさん。
A「にのちゃんただいまー♡遅くなってごめんねー!」
夜中に近いというのに、爽やかな笑顔の相葉さん。
俺に会えて嬉しいって顔。
やっぱり心配する事なんてなかったんだ。
N「おかえり!楽しかった?」
笑顔でおかえりを言えた自分にホッとして、相葉さんに抱き着く。
N「・・・・・・・」
お酒に混じって、ふわっと甘い香り。
・・・誰の香水??
A「楽しかったよ!俺が早くに帰るって言ったら、彼女できたのかって超からかわれた♡」
お酒が入ってる相葉さんは、デレデレと笑いながら俺を抱きしめ返す。
N「・・・そうなんだ。可愛い彼女がいるんだって言ってやった?」
知らない甘い香りに気分が悪くなりそうだ。
隣に座ってるだけじゃ香りが移ったりしないよね。
A「言える訳ないじゃん!余計からかわれるよー!」
・・・言いたくなかったんじゃないの?
モヤモヤと黒い気持ちで心がいっぱいになる。
もうちょっとで帰る、なんてメール送っといて、本当は何してたの?
A「すぐシャワー浴びてくるから待っててね♡」
ご機嫌な様子で俺を置いてバスルームへ向かう相葉さん。
何も言えずただその後ろ姿を見送った。
口を開けば、後悔しそうな事をぶちまけてしまいそうだったから。