スイッチ
第19章 不安定なキモチ。
翔さんは前の仕事が長引いてまだ来ていない。
大野さんはソファで寝てる。
潤くんは・・・まだあの女優と喋ってんのか?
A「にのちゃん・・・♡」
隣に座る相葉さんに、腰を抱かれる。
N「・・・ダメだよ、ここ楽屋。」
A「誰もいないからキスくらい良いじゃん。」
大野さんはノーカウントなのか。
ちゅ、と頬に可愛いキスをされただけで、体温が上がってしまう。
N「潤くんが来ちゃうからっ・・・」
キスが唇に近付いてきて、慌てて相葉さんを止める。
N「続きは今日お家帰ってからね?」
ちょっと拗ねた顔した相葉さんが、コーヒーを一口飲んで俺を見つめる。
N「・・・なによ。」
A「松潤が、ホントに翔ちゃんを好きなら俺は応援したいんだけどな。」
・・・またその話。
こないだ大野さん家で、潤くんの様子がオカシイと話した。
まるで翔さんに惚れてるみたいだって。
それから、相葉さんは2人がくっ付けば良いのに、と何度も楽しそうに話していた。
N「だから、それは俺らの憶測でしか無いから。
絶対潤くんや翔さんに余計な事口走んなよ。
このまま何も無い方が良いんだから。」
A「にの冷たい。」
・・・そう来たか。
確かに、そう思われても仕方ないと思うけど。
A「松潤は俺らを応援してくれたじゃん。
今1人で悩んでるかもしれない・・・
力になってあげたいだろ!」
N「俺だってなぁ、潤くんの為になるならいくらでも協力してやるよ!
でも相手は翔さんだぞ?!」
俺らがうまくいったのは奇跡なんだ。
誰もがこんな普通じゃない恋愛を実らせられるとは思えない。
俺らも別にゲイじゃなかった。
だから、潤くんと翔さんの場合と同じではある。
でも、うまく言えないけど・・・
あの2人に、男と恋愛する柔軟性は無いと思うんだ。
N「THE真面目の2人だぞ。特に翔さん。あの人が男と付き合えると思う?」
A「・・・分かんないだろ、そんなの。」
N「相葉さんの気持ちは分かるよ。もし2人が幸せになるなら、こんな嬉しい事はないと思う。」