スイッチ
第19章 不安定なキモチ。
A「にの、俺をずっと好きでいてくれたんだよね。
俺が自分の気持ちに気付いてない間もずっと・・・」
N「・・・そうだよ、10年もだぞ。」
A「長いな・・・」
N「長いよ。」
ふわりと抱きしめられて、相葉さんの温かさに泣きたくなってしまう。
この温もりを手に入れるまで、何度もツライ思いをしたんだ。
A「にのは松潤を心配してるんだね。
想い続ける気持ちが分かるから・・・」
頭をよしよしと撫でられて、堪え切れず涙が零れた。
N「俺だって相葉さんに想いが届くなんて思ってなかった・・・っ。
報われない恋を一生していくんだと思ってたんだよ。」
相葉さんが俺を抱きしめる力が、ギュっと強くなる。
N「・・・ツライよ。潤くんにそんな想いして欲しくない。」
A「・・・分かった。あの2人の事は、もう何も言わない。」
そっと体を離して、相葉さんが俺を優しく見つめる。
A「にの・・・ずっと想ってくれてありがとう。
今ある幸せはにののお陰だね。」
N「・・・・っ。」
10年分の俺の想いが報われた気がした。
辛かったけど、諦めないで良かった。
ずっとずっと、相葉さんを好きで良かった。
思わず相葉さんに体当たりする勢いで抱き着く。
A「わっ、にのちゃんっ!!」
押し倒された形になった相葉さんが焦っているのもお構いなしに、ギュウギュウと抱きしめる。
・・・・・諦めないで良かった、か。
俺は、本当に潤くんが自分の気持ちに気付かない方が良いと思ってるんだろうか。
本当に、絶対あの2人はうまくいかないんだろうか。
N「分かんない・・・」
A「え?」
みんな幸せになってほしい。
ジッと相葉さんを見つめると、また頭を撫でてくれる。
A「にのが考え過ぎてもどうしようも無いよ?
大丈夫だよ、きっと。」
・・・何の根拠もない言葉だけど、相葉さんが笑って言ってくれるだけで心がふんわり軽くなる。
N「うん。」
A「くふふ♡素直♡」
相葉さんの顔が近付いてきて、俺も目を閉じた瞬間。
S「イチャついてんじゃねーーーー!!」
翔さんの叫びで飛び上がった。