スイッチ
第20章 憧れ?好き?
N「・・・甘えたい人とかいないの?」
M「甘えるなんて柄じゃねーって。」
何言ってんだ、と笑う潤くんが缶ジュースを握りしめている事に気付いた。
N「・・・あれ?それって収録前に翔さんにあげたやつと同じ?」
翔さんが甘過ぎるって呟きながら飲んでたんだよね。
N「また買ったの?」
M「・・・うん。」
途端に目を逸らした潤くんに、ははーん、と勘が働く。
俺そういうの聡いからね?
N「飲まないの?」
M「飲むよ。」
大方、翔さんがお返しにってくれたとかなんだろう。
大事そうに持っちゃってさ。
N「・・・俺も喉乾いちゃった。半分こしようよ。」
M「え・・・」
すげー困った顔してんじゃん。
普段の潤くんなら、じゃあやるよって言いそうなところよ?
M「これは・・・帰ってから飲むやつだから。
何か要るなら買ってきてやるよ。」
・・・帰ってから飲むやつってなんじゃそりゃ。
自販機へ向かおうと腰を浮かした潤くんの隙を狙って、缶ジュースを奪い取った。
M「あっ・・・オイ!!」
慌てて奪い返そうとする潤くんをひらりとかわす。
N「これが良いんだもーん。」
べっと舌を出しながら、プルタブに指を掛ける。
M「あーーー!!待て!!」
N「うゎっ・・・」
腕を取られ、よろけた俺は潤くんの胸に飛び込む形になった。
飛び跳ねた缶ジュースが宙を舞い、俺を支えたままの潤くんが慌てて反対の手を伸ばしキャッチしようとする。
思い切り手を伸ばしたもんだから、2人してバランスを崩して床に倒れこんだ。
俺に覆いかぶさるように倒れた潤くんだったけど、さすがモテる男は違う。
俺の頭をしっかり支えてくれていたおかげで、派手に転んだのにどこも痛くない。
N「・・・ゴメン、大丈夫?」
すぐ目の前の潤くんの顔。
イケメンてのは怒った顔も整ってんだなぁ。
M「お前なぁ・・・、」
潤くんが口を開いたとき、楽屋のドアがバンっと派手な音をたてて開いた。
S「松潤!話が・・・って、えぇーーーーーーーー?!」
A「何してんだ松本ぉーーーーーー!!
・・・またこの展開かよ。