スイッチ
第20章 憧れ?好き?
A side
にのちゃんにミッションを与えられた俺は、急いで翔ちゃんを追いかける。
くふふ、にのちゃんってば、結局松潤をほっとけないんじゃん。
可愛いなぁもう。
本当は松潤を応援してあげたいんだろう。
片想いしてた自分と重なるのかもしれない。
俺が言うのもなんだけど、今まで色々悩んできたんだろうから・・・慎重になる気持ちも分かる。
相手は堅物翔ちゃんだしね。
でも、何でかな。
俺、2人はきっとうまくいくって思っちゃうんだけど。
楽観的すぎるんだろうか。
A「あ!」
スタスタと前を歩く翔ちゃんを発見。
A「翔ちゃーん!!」
大声で叫ぶと、ビックリして振り返った。
まわりの人も。
あ、声大き過ぎたかも・・・
S「なんだよっ、何かあったのか?!」
まわりの注目を集めてしまい、バツが悪そうに小走りに俺の所へ来た翔ちゃん。
A「ゴメン、えっと・・・」
しまった。
にのちゃんの事ばっかり考えてて、翔ちゃんにどうやって松潤の事を聞き出すか考えてなかった。
S「どうした?」
俺ピンチ。
翔ちゃんが心配そうな顔になって俺を見る。
A「えっとー・・・松潤の事、」
好き?とか聞いちゃダメだよね。
どうしよ。
S「やっぱ何か悩んでんのか?!」
A「え?」
少し怒ったような顔で、翔ちゃんがため息を吐く。
S「最近元気ないのは気になってたんだよ・・・でも何も言わねぇんだよな。」
松潤の様子、気付いてたんだ。
この感じじゃ別に翔ちゃんと何かあったって訳じゃなさそうだけど・・・
A「そっか。俺てっきり翔ちゃんならなんか知ってるかなぁなんて思って・・・」
へへ、と笑う俺とは対照的に、険しい表情のままの翔ちゃん。
なんか怖い。