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スイッチ

第20章 憧れ?好き?



M side



M「キライな訳ないじゃん。」


S「なんか信じらんねー・・・」


ジトッと俺を疑って見てる翔くん。
あ、また腕組んでる。
カッコ良いんだよな、翔くんが腕組んでるのって。


M「正直、あんま関わるのやめようと思った事はあるけど。」


S「・・・まじ?!」


それってキライなんじゃん、と焦ってる姿に笑いそうになる。
違うよ。


M「いつまでも翔くんの後ろくっついてんのかっこ悪いじゃん。
気持ち悪いだろ。
もう大人になったんだよ。」


S「・・・・・・・。」


翔くんが少し寂しそうな顔をしているのは、俺の気のせいだろうか。


S「・・・ニノや雅紀はどうなる。」


M「・・・へ?」


S「あいつらもいい大人だが、甘ったれだぞ!!」


M「はぁ?」


S「でもちゃんと大人だろ?!」


M「・・・意味分かんないんだけど。」


S「だから!なんつーか・・・
人間なんて大人な部分と子供の部分と、両方持ち合わせてるもんだろ?
年を重ねれば、大人である事を必要とされる事が増えるから、大人にならざるを得ないけど。
だからって、子供の部分を全て排除する必要は無い。」


M「・・・はぁ。」


S「全部大人にならなくて良いって言ってんだよ!
だいたい、我慢して溜め込む事が大人じゃ無いからな?」


・・・ガキっぽい俺がいても、良いって事?


S「最近お前変なんだよ。
何考えてるんだ?
全部吐き出してみろよ、俺の悪口でも良いから。」


こんな風に真剣な表情で説教されるのはいつぶりだろう。
昔は良く怒られた。
怖かったけど、真剣に向き合ってくれるのが嬉しかったんだよな。


ヤバい。
怒られてんのに顔が緩む。


S「おい、潤??」


緩む顔を隠すために俯いていたのに、思わずバッと顔を上げてしまった。



S「お前・・・なに笑ってんだよ?!」


M「・・・潤って言った。」


S「は?」


ガキのままの部分があっても良いって言ったよな?
甘ったれでも良いんだよな?


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