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スイッチ

第22章 苦くて甘い。


もうもうもう!!
翔さんってホント鈍ちん!!



今朝、廊下で一緒になった大野さんに2人の事を密かに相談していた。



あまり俺が首を突っ込み過ぎないようにと言われたけど、どうしても翔さんを見てるともどかしくなってしまう。



だって。
せっかく楽屋で2人きりで、構って欲しそうにしてる潤くんをスルーして新聞広げるなんて・・・



しかも、意地っ張りで甘え下手な潤くんが俺と相葉さんに嫉妬してたんだって素直に話したって言うのに。



嫌われてなかったんだ〜って呑気な感想。
あげく俺を可愛いと言って拗ねさせるとか何なの?



そりゃ、翔さんは潤くんの気持ちなんて知らないし、男同士でそういう感情が生まれる事なんか頭に無いんだろうけど・・・



叶わないだろう相手を想うのってツライんだから・・・
すごい神経すり減って弱っちゃうんだから!!



翔さんには悪いけど、俺完全に潤くんの味方だもん。



翔さんはせいぜい大野さんに泣きついてりゃ良い。
あの人ならちゃんとフォローしてくれるだろうし。



早足で潤くんが行きそうな所をまわっていると、こないだ立ち話した自販機前。
ポツンと立ってる潤くんが居た。



見ているのは、翔さんに貰ったジュースかな・・・?
もう、センチメンタル過ぎ・・・



N「潤くん、」



声を掛けると、バッと振り返って気まずそうに目線を逸らす。



M「さっきは悪かったな。
なんかイライラしちゃって・・・」



バツが悪そうに呟く潤くんに胸が痛くなる。
気持ちがわかり過ぎて俺が泣きそうだ。



N「潤くんはやっぱ優しいね・・・俺だったら、今絶対謝れなかったと思う。」



M「・・・?」



N「好きな人が可愛いって言った奴の顔なんか、見たくないもん。」



M「・・・・・え、何て?」



大きな迫力のある目が見開かれる。
・・・こわっ。



N「俺、潤くんが俺と相葉さんを見守ってくれてたみたいに、気付かないフリとか出来ないや・・・
2人見てたら黙ってらんなくて・・・ゴメンね。」



気持ちを知られるのとか、潤くんは嫌がるかもしれないけど。



M「・・・・・・・・・・・」



固まって動かない潤くんを、ツンと指で押してみる。



N「潤くん?」



M「ちょっと待て・・・カズ何言ってんだ・・・?」


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