
スイッチ
第22章 苦くて甘い。
A side
楽屋がスゴイ事になっている。
A「おーちゃん・・・」
O「んー・・・」
さすがのおーちゃんも、困った顔で3人を見つめていた。
テーブルに頭だけを乗せ、両腕をブランと下ろして廃人のようになっている翔ちゃん。
不機嫌オーラを隠さず、雑誌を捲ったりケータイをいじったり落ち着きのない松潤。
ゲームを横に放りっぱなしのまま、ソファで膝を抱えて、顔を伏せて落ち込むにのちゃん。
とてもじゃないけど、俺が何とか出来る空気じゃない・・・!!
O「・・・とりあえず、相葉ちゃんはニノ。
俺は・・・翔くんが先かな。」
A「え?」
O「後で個人面談な。
松潤は・・・俺よりニノが話した方が良いか。」
個人面談って・・・
3人に何があったんだ。
てか、これから収録なのに大丈夫なのかな。
進行の翔くんがあんなボロボロだと、さすがにまとまらないんじゃ・・・
O「今日は俺が進行するか。」
真面目な顔でおーちゃんがボケるが、今はツッコミがいない。
A「ボケの俺らだけじゃ番組になんないよぉ〜!!」
O「・・・・・・。」
せめて、にのちゃん復活して〜!!
「スタンバイお願いしまーす!」
A「・・・はぁ〜い・・・」
俺とおーちゃん大ピンチ!!
N「・・・なに焦ってんのよ相葉さん。」
A「にのちゃん!!」
N「みんなプロなんだから、大丈夫だよ。」
そう心強い事を言って始まった収録だったけど、
翔ちゃんと松潤は全く目を合わせないし、ニノはいつもよりおーちゃんにベッタリ。
翔ちゃんはやたら俺を構いまくって、まとまりなんて皆無だった。
もう!
みんなプロなんじゃないのかよ〜!
てかにのちゃん、おーちゃんにくっつき過ぎ!!
収録が終わり、楽屋へ戻る時には全員が無言で重苦しい雰囲気だった。
もーダメ。
こんな空気耐えられない・・・!!
楽屋のドアを閉めた俺は、3人を引っ張ってまとめてソファに座らせた。
抵抗する松潤の腕を掴んで翔ちゃんの方へ放り投げる。
S「うおっ」
慌てて翔ちゃんが松潤を受け止めた。
