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スイッチ

第22章 苦くて甘い。



S side



O「途中から松潤の話しかしてないって翔くん。」


ああ、そう。
だから何だっての?


O「・・・まぁ、良いや。
とりあえずさ、拗ねたガキを構ってやるのが兄ちゃんの役目じゃない?」


本当に、俺鬱陶しがられてないのかな。


O「大丈夫だよ。ここでまた離れたら、それこそ一生翔くんに頼る事なんか無くなるぞ。」


それは寂しい。


O「あいつ俺の言う事なんか聞きやしないんだから。
翔くん頼むよ。」


・・・智くんの言う事聞かないなんて事無いと思うけど。
でも、昔は確かに俺の話しか聞かなかった。
“しょおくんが言うならそうする”
なんて言って可愛かったなぁ。



O「・・・何ニヤけてんの。」



ニヤけてたのか俺。



O「それにしてもさぁ・・・散らかり過ぎじゃない?」


まわりを見て智くんが呟く。
仕事終わりの遅い時間だったから、家飲みにしたんだけど・・・
智くんがウチに来てくれたんだよね。


1週間ほど掃除をしていない部屋は、確かに汚い。


S「最近忙しくて・・・」


O「掃除してくれる恋人、早く作ったら。」


俺も欲しいよそんな人!!


O「ま、ムリか。翔くん恋愛関係てんでダメだもんな。」



・・・何で知ってるんだ。



O「否定しないし。笑」


S「別に、今までは仕事優先にしてきただけだよ!
そろそろ可愛い恋人作ろうと思ってるし。」


O「へぇ、頑張って。」


なんか馬鹿にされてるぅー!!


S「ぜってー恋人作る!!」


O「はいはい。まつずんの事も頼んだぞ?」


言えてねーし!


S「分かってるよ!
あいつも絶対また懐かせてやる!!」


O「うん、頑張って。」


嬉しそうに智くんが笑うから、潤に嫌われてるかも、なんて不安が消えて無くなった。


チラリとスマホを見る。
さっきの、潤が笑顔で俺に抱き着いている写真。


S「・・・・・・。」



こっそり保存したのは、智くんに内緒にしとこう。



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