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第22章 苦くて甘い。



久しぶりに来る潤くんの家。


モデルルームかってくらいにキレイに整えられている部屋で、優雅にコーヒーを飲む姿が様になりすぎている。


N「・・・・・・。」


もしかしたら、会ってくれないかもしれないと思っていたが、案外すんなり家に招いてくれた。


顔色も良いし
機嫌が悪そうでもない。


逆に話出しにくい・・・


高級そうな豆の香りがするコーヒーに、何度も口をつけてはタイミングをはかるがなかなか切り出せないでいた。



M「そんなビビんなよ。笑」



カップをテーブルに置いて、潤くんが苦笑いで俺を見る。


N「ビビりもするよ・・・俺に怒ってるでしょ?」


M「怒ってねーよ。」


その笑顔が怖いんだけど・・・


M「俺が翔くんに惚れてるんだって勘違いの話だったらもう気にすんな。」


N「・・・・・・え?」


またカップを手に取り、コーヒーを一口飲んで潤くんが笑顔のまま話す。


N「勘違い??」


M「そうだよ。もちろんメンバーとしては好きだよ。
でも、恋愛感情なんか無い。
俺は男に興味は無い。」



・・・なるほどね。
逃げるんだ。



N「そっか・・・潤くんがそれで良いなら、俺はもう何も言えないけど。」


逃げるのも間違いじゃない。
平和的で、賢い選択だと思うよ。
波風立てたくないもんね。



潤くんがジッと俺を見る。
俺が簡単に引き下がるわけが無いと警戒してるのかな?


ビビってんのはそっちじゃん。





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