スイッチ
第23章 ふわり、蕩ける。
さっきの相葉さんの言葉が、まだ耳元で俺を擽っているみたい。
落ち着かないキモチをまわりに悟られないように、楽屋へ戻る廊下を静かに歩く。
翔さんと大野さんと楽しそうに喋りながら、前を歩く相葉さんを見るだけで体がポッと熱を持って焦った。
俺が見てるって気付いてるはずなのに、少しもコチラを見ない。
N「・・・いじわる。」
M「は?」
隣を歩いていた潤くんが不思議そうに俺を見た。
N「別に。」
M「・・・あのさぁ。」
ポケットに手を突っ込んで、俯きながら不安気に喋る潤くんはなんだか幼く見える。
M「俺、やっぱ認めねぇから。」
・・・ホントに子供だな。
まだそんな事言ってんの??
M「好きじゃない。
ちょっと勘違いしそうになってるだけなんだ。」
頑なだなぁ・・・
収録前の自分の行動忘れたの?
N「あっそ。」
M「急に興味ナシかよ!!」
だって、どうせすぐ誤魔化せなくなるよ。
好きって気持ちはね、潤くんが思ってるより厄介なんだ。
そんな簡単にコントロール出来るもんじゃない。
N「翔さんを好きでも好きじゃなくても、俺は潤くんの味方だから。
いつでも泣きついておいで?」
M「・・・んな事になんねぇよ。」
N「まぁ、頑張ってよ。」
少し背伸びをして頭を撫でてあげると、驚いた顔で固まった潤くんが慌てて俺の手を払いのける。
M「何してんだよっ。」
N「んふふ、良いじゃん。
なんか可愛いなーって思ったんだもん。」
怒ったような顔してるけどさ、顔赤いよ?
表では男らしくてストイックなMJが、実はこんなに可愛がられキャラだなんてね。
ズルいよね。
俺の可愛さがくすむじゃないのよ。
M「・・・・・・ありがとう。」
え?パッと潤くんを見ると、不機嫌そうな顔で睨むように俺を見る。
お礼言うような表情じゃないよ、それ。笑
照れちゃってもう・・・