スイッチ
第23章 ふわり、蕩ける。
N「・・・ねぇ、」
A「ん?」
ふわりと手を握って、相葉さんの腕にもたれかかる。
N「どうしよう、すっごく甘えたくなってきちゃった・・・」
潤くんのもどかしさを見てたらさ、俺の方が欲求不満になっちゃったみたい。
相葉さんが欲しい。
A「・・・・・・・・。」
ピクっと眉毛だけを動かした相葉さんが、ため息を吐いて早歩きになった。
繋いだ手が急に熱くなって、これはどっちの体温なんだろうとボンヤリ考えてみる。
煽った俺の方?
煽られた相葉さんの方?
楽屋へ着くと、2人分の荷物を乱暴にまとめる相葉さん。
そのままの勢いで着替えだしたので、俺も慌てて着替えを済ます。
S「あれっ、もう帰んの?」
A「お疲れ!またね!」
右手で2人分の荷物を持ち、左手で俺の手を引く相葉さんがメンバーに短い挨拶をして楽屋を飛び出す。
あまりに強く引っ張るから何度も転びそうになりなったけど、
斜め後ろから見る相葉さんのシュッとした顎のラインに見惚れたり、捲った袖から見える男らしい腕にときめいたり。
俺ってば乙女チック。
車に乗り込むと、すぐに唇を塞がれた。
首筋から掬うように手を入れられ、髪を撫でられる。
N「んんっ・・・誰か来ちゃうかも・・・っ。」
ほんの少しの抵抗を見せると
ユックリと唇を離した相葉さんが、キスの距離のまま喋る。
A「誰が通るか分かんない廊下で
甘えてきたのは誰だよ。」
相葉さんの吐息が俺の唇に触れて、腰に響く。
もっとキスが欲しい。
薄く開いている相葉さんの唇に、そっと舌を入れて絡めた。
自分でも分かる。
俺の瞳は今とろとろに蕩けてる・・・
N「まーくん・・・」
すっかり欲情してしまった俺を見て、相葉さんの声が低くなる。
A「お前・・・ここで犯してほしいの?」
それも良いかも。
だってすぐにでも欲しいんだもん。
首に腕をまわし、キスの続きをしようとするとニヤリと意地悪い顔で笑う相葉さん。