テキストサイズ

スイッチ

第24章 夢の続きを、いつか。




通話中になんつー事言うんだよ!
無言で睨むと、別の意味に捉えたらしい相葉さん。



A「ご、ごめん、俺のせいだよね。」



・・・まじで黙ってくれ。



大説教をかましたいところだが、今は時間が無い。
痛む腰をなんとか誤魔化しながらシャワーを浴びると、脱衣所で待ち構えていた相葉さんが体を拭いて服を着せてくれる。



N「ふふっ」



A「笑ってる場合じゃないよ、にのちゃん!
マネージャー待ってるから!」



2人分の荷物を持った相葉さんに、急かされて玄関まで来ると靴まで履かしてくれるもんだからまた笑っちゃう。
エッチの翌日ってホントお姫様気分。笑



A「走れないよね?!」



N「えっ・・・うわぁ!」



ヒョイと俺をお姫様抱っこした相葉さんが、走り出す。



N「ちょ、待って!」



車まで抱っこで行く気か?!
朝っぱらから男同士のこんな姿を見せられるマネージャーが気の毒過ぎる。



N「おろせ!!」



A「時間無いんだもん、我慢して!」



ああもう、恥ずかしくて死にそうだ。



A「にの!」



N「なに。」



A「さっき言いそびれたけど!
愛してる!!」



N「は・・・」




どんなタイミングだよ。
いや聞きたかった言葉ではあるけど。
さっき甘えながら催促したけども。


今、お姫様抱っこで全力疾走しながら言う言葉じゃねーだろ!




N「バカ!」



A「にのと一緒にいる時もっ・・・離れてる時も、ずっと思ってるよっ・・・愛してるって、」



ゼェゼェと息を切らして走りながら、俺に微笑む。




全く・・・



ホント信じらんない。



こんなとこで、愛してるなんて普通言わないよ。



外だよ?仕事前だよ?
究極に時間なくて走ってるんだよ?



N「・・・・・・・。」



汗だくになってる俺の王子様。



外なのに、仕事前なのに、究極に時間ないのに・・・



N「もう1回・・・言って。」



俺もバカだ。




A「くふふっ・・・愛してるよ?かず♡」



N「・・・・・俺も。」




俺も、愛してる・・・、相葉さんの胸に顔を埋めて小さく呟いた。
聞こえたかな・・・?



チラリと相葉さんを見ると、真っ直ぐ前を向いている顔が少し赤い。
急に黙ったし・・・


ストーリーメニュー

TOPTOPへ