スイッチ
第9章 ひとりで。
いつもの楽屋。
俺の相葉さんは今いない。
収録前に、単独の雑誌取材だって。
あの人ホント最近忙しいよね・・・
最近痩せた気がするし心配だよ。
ふと楽屋を眺めると、
新聞を読んでいる翔さん。
ソファで寝てる大野さん。
パラパラと雑誌を眺めてる潤くん。
N「翔さーん♡」
声をかけると、ビクリと新聞ごと体を揺らした。
S「ああ、ニノ、どうした?」
N「話聞いてよー。」
翔さんの隣に、体重を預けるようにして座る。
なで肩に頭をちょこんと乗せると、困ったような表情で俺を見た。
S「こらこら、甘えるなら彼氏にしなさい。」
N「今いないもん。」
S「怒られるぞー。」
N「抱き付いちゃダメって言われたけど、肩に頭乗せちゃダメとは言われてませんから。」
S「困った奴だなお前は・・・」
N「キスなんかしちゃって、怒ってる?」
S「いや・・・」
翔さんを見上げると、眉を下げて笑っていた。
S「怒ってねーよ。雅紀に悪いとは思ったけど。
可愛かったですよ?二宮さん。」
わざとかっこいい顔を作って、声を低くして言う翔さんがおかしくて声をあげて笑った。
N「ふふふっ、翔さんに話聞いてもらって、ホント楽になったんだよねー。」
俺が相葉さんに長く片想いしている時から、翔さんは良き理解者だ。
N「ありがとう♡」
腕にギュっと抱き付くと、心が落ち着く。
N「人肌って癒されるよなぁ・・・
相葉さんの体温が1番だけど、翔さんもなかなか♡」
S「・・・頼むからメンバー以外の男にこんな事するなよ。」
困った笑顔で、俺の頭を小突いた。
N「今の良いね!」
S「は?」
N「相葉さんてさ、たまに俺の頭ポンポンって優しく撫でてくれんの。
それもかなりキュンキュンなんだけどさー、今みたいに小突かれるのも良いなぁ♡」
S「始まった・・・」
翔さんの呟きが聞こえてない俺は、最近の相葉さん胸キュンエピソードを語り出す。
M「おい、カズ。」
N「え?」
いつの間にか近くに来ていた潤くんに驚いた。
M「お前ね、翔くんにベタベタし過ぎ。」
N「・・・なによ。ヤキモチ?」