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スイッチ

第10章 波乱。


「バレたら困るでしょ?トップアイドルグループ内でホモカップルってさ。」


N「・・・・・・・」


「黙っててあげるよ。俺の言う事聞いてくれたらね。」



何でこんな奴に脅されなきゃなんねーんだ。
腹立たしさと恐怖で体の震えが止まらない。
何でこんなに情けないんだよ俺・・・!!



「大丈夫。俺と楽しい時間を過ごせば良いだけだよ。相葉くんには黙ってたら良い。」


N「ふざけんな!!」


相葉さん以外の男と触れ合うなんか死んでもごめんだ。


「・・・彼にも、メンバーにも、事務所にも迷惑が掛かるぞ。
仕事だって無くなるだろう。良いのか?」


N「・・・・・・」



何でこんな事に・・・


俺が名前呼んじゃったからか・・・


いや、それよりも、俺が相葉さんを好きになってしまったから・・・



「選択肢なんか無いだろ?」



ユックリと、顔を近付けて鼻先が触れそうな距離で止まった先輩。



「ニノくんからキスしてくれる?」



・・・・・・死にたい。



「頭の良い君なら、分かるだろ?」




相葉さん・・・


無理やりでも、どんなに痛くても、あの時相葉さんとひとつになっておけば良かった。



俺はこんな奴に・・・



ポロポロと溢れる涙を拭うこともせず先輩を睨みつけていた俺は、目を瞑り覚悟を決めようとする。




・・・覚悟なんか決まんないよ。



イヤだイヤだイヤだ。



ひとつ小さな深呼吸をしたその時。



俺のデニムのポケットで、スマホが鳴った。

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