スイッチ
第10章 波乱。
「・・・昨日、無理やり俺の物にすれば良かった。」
俺を睨み付け、強い力で腕を掴まれる。
今度は振り落とす事もできず、あっという間に壁に押さえつけられた。
N「・・・いてぇよ!」
「ニノくんのプライドの高さを甘く見てた。簡単に俺の所へ来ると思ってたのに・・・」
N「離せ・・・アンタに脅される理由なんか無いんだよ!」
押さえつけられた腕がギリギリと痛む。
唯一動かせる足で先輩を蹴るがビクともしない。
N「くそっ・・・!!」
「ニノくん、諦められる訳ないだろ?」
N「はぁ?!」
「本気で好きなんだ。」
・・・何だよコイツ。
頭おかしいんじゃねぇの?
信じらんない
意味わかんない
怖い。
助けて・・・
A「どけ。」
「いっ・・・・・!!」
・・・・・え?
ギュッと瞑っていた目を開けると、先輩の髪を摑み上げている相葉さんが居た。
嘘、なんで・・・??
チラリと俺を見て小さく溜息を吐いた相葉さんは、まだ俺の腕をつかんだままの先輩を思い切り蹴飛ばした。
N「わっ・・・・」
反対側の壁近くまで吹っ飛んだ先輩は、腹を押さえて涙目で相葉さんを睨む。
「ぅっ・・・お前、こんな暴力許されると思ってんのか、」
A「それにの襲ってた奴のセリフ?」
放心状態の俺を抱き起こしたのは潤くんだった。
M「カズ!」
N「なんで潤くんまで・・・」
M「相葉ちゃん、それ以上手出すなよ。もう行くぞ。」
A「・・・・・・・・」
無言でこちらを振り返った相葉さんは俺の手首をそっと握り、行こう、と小さな声で俺に言った。
手首・・・先輩に掴まれた痕が残ってる。