スイッチ
第10章 波乱。
「王子様気取りかよ、顔だけが取り柄のたかがジャニーズが調子に乗るな!!」
コイツ・・・!!
AM「「・・・・・・」」
え、ちょっと待って・・・
部屋を出て行こうとしていた相葉さんと潤くんが、振り返って先輩を睨む。
2人のこんな顔見たことない・・・
N「ちょっと・・・落ち着いて、」
A「ふざけんなよお前!!」
M「もっぺん言ってみろ!!!」
2人して先輩に掴みかかり、壁に頭を打ちつけた。
マズイ!!
N「待って!やめてよ!」
O「ストーーーーーーーーップ。」
この状況に似つかわしくない間伸びた声が響いた。
N「・・・・・・・・」
次から次へと色んな事が起こって、もう口を開くことすら出来なかった。
ただ固まって、場違いな声の主である大野さんを見つめる。
A「おーちゃん・・・?」
O「お前らやり過ぎ、ニノ泣き過ぎ。」
M「・・・・・ごめん。」
O「いくら人通り少ないっつってもな、こんだけ騒ぎゃ気付かれるって。」
N「え・・・・・」
O「翔くんが必死に足留めしてる。
まぁでも、俺ら嵐と、そっちの俳優さん?が揉めたのは隠せねーな。」
N「ウソだろ・・・何のために俺は・・・」
結局迷惑がかかる。
それだけは避けたかったのに・・・
何もかも無かった事にして、嵐を守りたかったのに・・・
O「ほれ、もう行くぞ。とりあえず楽屋戻れ。」
俺の肩をポンと叩くと、大野さんは被っていたキャップを俺に深く被せた。
泣き顔隠してくれたんだ・・・。
O「アンタも、揉め事が大きくなりゃマズイだろ?
これ以上騒ぐなよ。」
先輩に向かってサラリと言う大野さんは、やっぱりこの状況に全くそぐわないノンビリとした声だった。