スイッチ
第11章 やっぱり波乱。
M side
S「そうやって追いかけてくるなんてさ、昔みたいだなと思って。」
もっと若くて本当にガキだった頃、翔くんに憧れてた俺は四六時中翔くんを追いかけまわしていた。
M「・・・忘れろよ、そんな恥ずかしい過去!」
S「ふははははは!ゴメンゴメン、でもさ、しょんぼりした顔が昔のまんまなんだもん!」
大声で本当におかしそうに笑う翔くんに、俺も笑うしかない。
昔みたいなのは俺だけじゃ無いじゃん。
気付いてないんだろうけど・・・
自販機の前で目が合った時、
俺を「潤」って呼んだんだぞ。
今は呼ばれないあの頃の呼び方。
きっとそのせいで調子狂ってるんだ。
もう少し2人で話していたいなんて・・・
雅紀って呼ばれてる相葉ちゃんが羨ましいなんて・・・
あり得ないあり得ない。
楽屋のドアを開けると、相葉ちゃんとカズがすごい勢いで振り返る。
O「逃げろ。」
SM「「え、」」
A「翔ちゃん!!」
N「あ、コラ待って!!」
A「もう!!何て事してくれたのーーーーーーーっ!!」
S「えぇぇーーー?!いだだだだだっ!!」
相葉ちゃんに両頬をむにーっと掴まれて暴れる翔くん。
S「ちょっ、何?!助けて松潤!!」
頬が伸びた間抜けな顔で、涙目になりながら俺に助けを求めるこの人が、本当にさっきのスマートな大人と同一人物なのか??
M「やっぱあり得ないあり得ない。」
S「何が?!」
うん、さっきの俺はどうかしてた。
コーヒー飲んでちょっと落ち着こう。
S「ちょっと!松本くーん?!」
熱いコーヒーを飲みながら、大騒ぎしてる翔くんと相葉ちゃんとカズを見る。
大野さんはそんな3人を微笑ましく見ているように見えるが、たぶん眠いんだろうな、あの顔。
M「うるせぇなー・・・」
なんて呟いてみたけど・・・
やっと全員楽屋に揃ったな、とホッとしていた。