スイッチ
第12章 溢れる。
A side
にのが動かない・・・。
迷子だった子供が母親と再会したあとにくっ付いて離れない、みたいな感じ?
・・・男に襲われかけるなんてヒドイ体験したんだし、だいぶ神経弱ってるよね。
相手は仲良くしてた先輩だったんだし。
正直まだ腹は立ってるし、にのにも説教してやりたい気持ちもある。
でも、1人で悩んで泣いていたにのを責める事は出来ない。
辛かった気持ち全部忘れるくらい、優しく甘やかしてやるんだ。
それを出来るのは、俺だけ。
なんだけど・・・
正直これ以上くっ付いてたらムラムラきちゃうし、出来るなら早く家に帰りたいんだけど・・・
A「にのちゃーん・・・とりあえず、顔上げて?」
俺の胸に押し付けられてるにのの顔。
鼻潰れてんじゃないかってくらいギュっとしてるから心配になる。
N「・・・・・俺、相葉さんが好きなんだ。」
A「ん?」
少しだけ顔を上げて、チラリとウルウルの瞳で上目遣い。
ヤバイのきたよーーー
A「にのちゃん、ここまだ楽屋だからっ。
あんまそのモードに入らないで・・・」
にのは、ぷくっと頬を膨らませる。
ああ、ダメだこりゃ。
ちょー可愛い。
俺が理性と戦う道しか無いようだ。
N「思ってたんだけど・・・俺すげー依存してるなって。
恋人として面倒くさいタイプだよ、俺。」
俺のシャツのボタンをいじいじしながら呟くにの。
なにそれメッチャ可愛いんですけど!
N「ワガママだし・・・すぐ嫉妬しちゃうし・・・俺の事好きな奴いっぱいいるみたいだし?」
頼りないウルウルの瞳で首をコテンと傾げる仕草は超絶可愛いのに、最後の一言ちょー小悪魔じゃん!
・・・鼻血出そう。
N「相葉さん、イヤになんない・・・?」
なんねーよ!
むしろハマるっての!!
にのの背中を支えながら、ソファに一気に押し倒した。
N「わっ・・・!!」
A「・・・本当はもっとワガママだろ?もっと独占欲強いだろ?」
驚いた表情で俺を見つめるにの。
A「俺に遠慮するにのなんか、にのじゃないよ。
俺結構器デカイんだから、好きなだけワガママ言えって。」
至近距離にある可愛い唇に我慢できず、激しく口づける。