
愛しの潤ちゃん!
第1章 1.誕生日
潤ちゃんは一度わたしを拒んだ。
変な冗談言うな、簡単にこんなことしちゃダメだ、って怒った。
けれどわたしは本当に潤ちゃんが好きで、何度も何度もそんなふうな告白をしているうちに、
潤ちゃんは私のことを触ってくれるようになった。
「あっ…潤ちゃん…、んんっ」
「……気持ちいい? ひな…」
「気持ちいい……潤ちゃん、あ…っん、あ、」
触る、と言っても本当に触るだけだった。
潤ちゃんがズボンを脱ぐことはなかったし、わたしにキスしてくれることもなかった。
「ねえ、本番はしないの?」
わたしがふとんに包まりながら尋ねると、潤ちゃんは「またそんなこといって…」と呆れながら答えた。
「まだだめなの、ひなに手出しちゃ。…って言っても、もう手遅れだけど」
「なんで?? いいよ、したいよ」
「だーめ」
「なんでよぉ…わたし、潤ちゃんと一緒になりたい………」
わたしがそうやってぐずると、潤ちゃんはすごく、すごーく悩んだあとにこういった。
「18になって、それでも俺以外に好きな人できなかったら、そのときは考えるよ」
「絶対できないから、16にして」
「ええ…」
「おねがい! 一生のお願いだから、ちゃんと我慢するから」
「……わかったよ、ひながいいなら」
そういって潤ちゃんは、本当に今まで私の中に入ったことは無かった。
「約束、忘れてないよね? 潤ちゃん」
「…今日は、それをしにきたの?」
「うん、そう」
「正直過ぎだし素直すぎ。」
潤ちゃんは笑った。
