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TRAP

第2章 Distance

((千晃side))







宇野ちゃんと秀太と顔を合わせづらいなと思いつつ,重い体を起こした







a-classのみんなと家族のように仲良くしたい一方で







まだ新人の私は知らないことのほうが多く







みんなのこともよく理解できていない








距離ができてしまうのは仕方ないことかもしれないけれど、それが嫌だった







"もっとみんなを知りたい"








いつも通りやってくる黄色のラインが入った電車に乗り込む







空いている席に腰掛け,ふと前を向いたとき








すぐ近くに秀ちゃんが立っていた








本を読んでいて気づいてはいないようだった








話しかけようにも話しかけられず,いっそ隣の車両に移ろうと思い,秀ちゃんの後ろを気づかれないように通った






しかし運悪く








電車が大きく揺れた勢いで秀ちゃんにぶつかってしまった






秀「すみませんっ……って……千晃じゃん」

千「あ,っと,秀ちゃん,おはよう」

秀「おはよ」








何を話したらいいのかわからない








秀「…千晃,昨日はごめん」

千「…え?」

秀「不快な思いさせた」

千「…私は…何も…知らないから…」








"何も知らない"








もう2度とそういって切り離されるのは嫌だった

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