ある晴れた冬の日に
第3章 約束
「もう何年も実家に帰ってないから、たまには親に顔見せなきゃ悪いかなって、最近思うようになったんだ」
「でも、どうして私となんですか?」
「…君に見せたいからかな。俺の故郷を」
「…」
さっきから気づいていた事があって。それは
「はははっ!ごめんね。困るよな?そんなこと急に言われても」
その声…。
「もうっ、からかわないでくださいよ」
私が見る夢に出てくる、あの人と
似ているのだ。
「遅くなっちゃったな。俺も帰るから送ってくよ」
「わぁ、いいんですか!?」
「うん」
窓の外はもう真っ暗な冬空だったが、私の心は温かく弾んでいた。