ある晴れた冬の日に
第5章 故郷へ
萌音は続けた。
『だったら、私を明日連れてってください』
「どこへ、だ?」
『先生の故郷です。私に見せたいって言ってくれましたよね?』
「えっ!確かに言ったけど…明日?」
『そうです。私が先生の傍にいてあげるから』
「ちょっと落ち着け。何かあったのか?」
「…何もないです。ただ先生と行ってみたいの。お願い、連れて行って」
教員として、生徒とそんな私的な行動をしてはだめだとわかっている。
でも俺は、君に…
「…わかった。行こう」
『ほんとですか?嬉しい』
惹かれ始めていた。