ある晴れた冬の日に
第5章 故郷へ
翌朝。
私は台所で朝食の支度をしている母に声をかけた。
「お母さん、今日も友達と遊ぶから」
「まあっ、こんな朝早くから?」
「うん。映画を観に行くの。帰りはちょっと遅くなるかも知れないけど、心配しないでね」
「そう、わかったわ。行ってらっしゃい、気をつけてね」
「行ってきます」
、
私は家の近くで待っている先生の元へ、急いで駆けつけた。
「おはようございます!」
「おはよう」
私は助手席に乗った。
「よし。じゃあ行こうか」
「はい」
私の中でいろんな感情が渦巻く。
今から、先生との小旅行が始まるのだ。
それは誰にも秘密の、デートだった。