ある晴れた冬の日に
第5章 故郷へ
しばらく高速道路を走ると
「お腹すいたな?」
と先生が言った。
「はい。すきました」
先生と私はサービスエリアで朝食を食べる事にした。
フードコートの椅子に腰掛けて周りを見渡すと、早朝なのに賑わっていた。
今まで家族と遠出する事はあったけど、今日の私は違う。
三上先生のことを、こう表現していいかわからないが、"男の人"と2人きりなのだ。
私達って、どう見えてるのかしら?
まさか先生と生徒には思われてないだろうけど。
じゃあ……。
「どうしたんだ?」
チャーシュー麺を食べていた先生が、急に顔を上げて聞くからびっくりした。
「いっ、いえ別に」
私は焦って、再び肉うどんを食べる。
チュルル…
先生がそんな私を、じっと見つめていたのにも気づかずに。