ある晴れた冬の日に
第7章 ごめんね
淳也side
一瞬、チョークを持つ指がビクッと震えた。
今、萌音の声が聞こえた気がした。
思わず振り返ったが生徒の様子に変わりはなく、ただの気のせいか…と思った。
しかし
『先生っ』
ドクン、
今度ははっきり聞こえた。
「みんなちょっとごめん!自習しててくれ」
俺は教室を飛び出し、萌音のクラスへ向かった。
教室の入り口から中をのぞくと、萌音の席は教科書が揃えられたまま空いていた。
ガラッと扉を開けると、授業中の教師がびっくりして振り返る。
「三上先生、どうしたんですか?」
「蓮池は、蓮池はどこです!?」
「運動場で倒れたらしく、保健室で休んでますよ」
「えっ」