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密猟界

第8章 狩りの時刻

 うっすらと埃を被った石のきざはしを、ピタピタと音をさせながら、ユノも昇る。 
チャンミンが階段を昇り切ったところで、ドアを開けたらしい音がした。

 ……「スパショやるの?」「パールサファイアブルー。群青ですね…」 ふたりは並んで、宙を見上げる。「プラネタリウム、みたいだ」「ドームのなかみたいです」手を伸ばすと、指先が青く染まりそうだった。
「チャンミン」「はい…ユノ。後ろ見て」云いながら、黒い盛り上がった岩山の影に、近づく。






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